名古屋駅近辺→テレビ塔→栄→春日井→矢場町→名古屋駅

ホテルの近くに、木彫りの妙にリアルなお爺ちゃん人形が飾ってある喫茶店があって気になっていた昨日。調べたら評判も良かったので、それではとモーニングをいただきに行ってみた。今日も食べますよと張り切る妻の隣で、夫が「胃が重たい…」と呟いていた様だけれど気にしない。




奥に居るのがその木彫りのお爺ちゃん。普通に服を着ていて、リアルなお爺ちゃんが更にリアルに。どうも季節毎に着せ替えをするらしい。お爺ちゃんお洒落ー。



東京でいうなら飯田橋とか九段下とか、そんな感じにデッドスポットっぽい場所にあるお店なのだけれど、地元の人達が車で次々と乗り付けてくる。店前の順番リストに名前を書いて、15分程待った所で席に着く事が出来た。間口から想像していたより中はずっと広く、しかも奥にはオーブンまで備えてある。折しも調度カイザーパンが焼けたとの由、サラダモーニングセット(サラダプレート・コーヒー・トースト)のトーストを一つ、カイザーパンにして貰った。
千切りキャベツがどっさり乗ったサラダにソーセージに目玉焼き、濃くて酸味の無いコーヒー、焼きたてのパンで作られたトースト。もうさあ、名古屋住みたくなっても仕方無いよね。男女でカップを変えてコーヒーを出してくる所まで憎いったらありゃしない。
BUCYO Coffee KAKO

食べログ BUCYO Coffee KAKO

精算際、レジ脇にコーヒー豆や手作りと思しきジャム・マフィンが置いてあったので豆と文旦ジャムを買おうとしたら(多分)店長さんが「ママレードお勧めよ」と囁く。「あー、迷ったんですけど文旦好きなので」と言ったら「でもママレードなら200円安いよ、文旦高いんだよ」。…好き! 「コーヒー豆はこっちにしときな、こっちの方が量多いから」…大好き! フォーリンラブ! 外で待っていた夫に報告した所、「今度から名古屋出張したら必ず来る」と息巻いていた。もう一気にKAKOのファン。常連さん大事にして、でも内輪だけ大切にしないで旅行客にも親切ってすごくいい。
 
ウフフアハハとご機嫌になりながら、昨日は人が多過ぎて入る気になれなかったテレビ塔に入ってみたら展望台にソファや椅子が備えられていて助かった。歩き回っているとやっぱり疲れるし、夫は水やお茶でもお腹がいっぱいになってしまう体質なので休む為にカフェに寄るという事が出来ないのもある。



大通りに大きな木が沢山あって、本当にいいなあ。札幌もこんな感じだったけれど、大きな木が連なっているというのがグッとくる。高所恐怖症の夫がへっぴり腰で手に汗握っているのを可愛く思いながら、外の展望台もぐるっと回る。遠くに海が見えたり、木曽の山々が見えたり、名古屋城の鯱がきらきらとしているのが見えたり。ざざっと景色を堪能した所で名古屋飯ノルマをガッといただくことにした。



名古屋飯というと思い付くのが、きしめん・ひつまぶし・味噌カツあんかけスパゲッティ。そして、あんかけスパゲッティといえばヨコイであろう。トマトソースじゃないし、ウスターソースじゃない。妙にスパイシーで、でもあんかけというそのスパゲッティー。何度も名古屋に出張している夫から散々聞かされていたので、中でも定番の憧れのミラカンをいただくことにした。
これが本当にあんかけで思わず笑ってしまった。そしてトマトでもウスターでもないソース、でもスパイシーなあんかけとしか言えない。2.2mmという、パスタでは食べたことが無いサイズの太麺(茹でて水で締めてバターを絡めてある)とソースとジャンクな具(スライスした赤いウィンナーとか炒め玉葱とか)を食べると妙に後を引く。食べた事が無いので戸惑う味ではあるのだけれど、止められない止まらない。これでは昨日から荒ぶる食欲がちっとも静まらない。恐ろしい。 
二年前に名古屋半日とんぼ返りをした時と同様、今回も是非行きたいカフェがあった。一つは一社にあるcofee Kajitaさんで、もう一つがCAWAさん。残念ながらKajitaさんは休みだし、CAWAさんは春日井市だしでどうしようかなと迷っていたのだけれど、二時間程夫と別行動にしたのをいい事に自由行動。畏れ多くもケーキ王子とCAWAさんへご一緒させていただいた。
 
「この人東京から来たんだよー」
「あらー…もしかして何年か前に、徒歩で来た人?」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア覚えられてるううううう!!!!!
 
「あの時可哀想だったのよねー」
「汗かいて来て、一生懸命チーズケーキ食べて帰ってったのよねー」
イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアア覚えられてるううううう!!!!!
 




徒歩で来るお客さんなんて本当に珍しいんだよと王子も店員さんも笑っていたけれど、リアルに頭抱えてしまった。その節は挙動不審になってしまい、申し訳ない事をいたしました…。変な汁をだらだら垂らしながら、でも、いただいた蓮茶やアールグリーンティーやオレオチーズケーキはとっても美味しかった。時間に余裕がある中で寛げるとなると、何時間でも居られてしまうのがCAWAさんの魅力の一つなのだなと改めて感じたし王子は本当に王子だった。ありがとうありがとう。CAWAさんみたいなカフェ、東京にもあったらいいな。見付けたいな。
 
夕方前、王子と解散した後に栄で夫と合流。20時半台の新幹線に乗る予定だったのでまだまだ暇だねと大須観音へ行ってみる事にした。勿論徒歩。
夕方近いというのに大須観音は結構な人出で、そして若い人でいっぱいだった。夫も初めて来たようで、思いがけず足を踏み入れたアーケード街にキャッキャしていた。私も嬉しい。わーコンパル本店ここだったのかーとか、スガキヤあるよ! とか。スーパーに入ればヨコイのあんかけがレトルトで山の様に売られているのだもの。勿論ここで、ヨコイのレトルトあんかけを迷わず購入。わーいわーい、家でナゲットとかソーセージとかジャンクなものと食べるんだー。



今では静岡以西にしか無いスガキヤ、数年前まで高田馬場にも店舗があったし、更に遡る事二十数年前までは夫の実家(千葉県)最寄のジャスコにもテナントとして入っていた様だ。何故か実家最寄りのコンビニがスガキヤの袋ラーメンやカップ麺を取り扱っていたので、私も馴染みが深い。夜は新幹線の中でコンパルのエビフライサンドと千寿の天むすを食べる予定でいたのだけれど、懐かしさが止まらない夫がうずうずしているのが分かったので「スガキヤはおやつ!」と店に引きずり込み、特製ラーメンを食べた。夫は懐かしさに「これだよ、これ…」と震えているし私は私で「とうとう攻略した…」とじーんとしてるし、ちょっと怪しい二人だった。
 
それにしても名古屋は広い。そして平らだ。平らというだけで家賃が跳ね上がる横浜市北部に長い事住んでいたせいか、平らというだけで嬉しい。そして何処までも歩いてしまう。しかも一日に何食もしていたら(まして妻はおやつ二回だ)、動かなきゃ。それにまだヨコイしか買ってない。しるこサンドは何処だ、帰りの新幹線の中で吸い込む為の天むすとコンパルは何処に行けば出来立てを入手でき、且つスムーズに新幹線まで辿り着けるのか。貪婪な鱶の如く大須から矢場町、栄のスーパーや百貨店をグルグルと巡る内に荷物がどんどんと重たくなっていった。つけてみそかけてみそ、八丁味噌しるこサンド、ヨコイのあんかけ…。
お蔭で名古屋駅地下のコンパルでエビフライサンドを入手した頃には、乗車時間まであと15分という恐ろしい時間になっていた。ちょっと狩りの時間が長過ぎたか。最後に名古屋駅ダッシュダッシュダッシュ。途中、駅の売店でビールを買うのは忘れない。




一汗かいた後のビールと揚げ物、炭水化物の美味さよ。天むすは何時もながらの美味しさだった上に、憧れていたコンパルのエビフライサンドを噛み締めた時の喜びと言ったらあーた。大体、おにぎりとサンドイッチを一緒に食べるこの背徳感。「次回は何を食べよっかなー」と企む妻の隣で夫は疲れ果てて眠り込んでいた。
ありがとう名古屋、美味しかったよ名古屋、楽しかったよ名古屋! そして連れて来てくれた夫にも、ありがとう。胃が重たいと言いながら、妻よりよく食べていたのも忘れないよ!