ゴジョー。

新幹線に駆け込み乗車したら名古屋行き。

因みに行きたかったのは新横浜。こんな日に限って携帯不所持、所持金は小銭のみ(銀行行き忘れ)。ビーアンビシャース!
新横浜までの切符を見た車掌さん、切符を持って消えたと思ったら「自由席ですけど、これで新横浜まで戻れますから」と行きの切符に何やら書き込んだものを返してくれた。切符には誤乗という文字。そうか、こういうのを誤乗と言うのね…初めて知る。「指定席に座っちゃうと、指定席料金取られますから気を付けて」て心配そうに言われるもう直ぐぞろ目の三十路、それ位解りますとは言えなかったよだってこののぞみは名古屋行き…。JR音痴とかいう問題じゃ無いのも解ってるんですよこれでも。ほんとに。に。
切符の他、渡されたメモには名古屋から新横浜までの最短で帰れるのぞみの便名と、新横浜に何時到着するかが書いてあった。上に、50度のテレカを持って来てくれた。

「テレカない…」
「カード販売機が中にありますよ」
「こぜにしかない…」
「せ、席でちょっと待ってて下さい。
 最悪、僕の携帯持ってきますから」

というやり取りを、公衆電話前で繰り広げた結果。結果…! ああもう!!!!!!
ともあれ有り難くテレカを借りようとしたら、「差し上げます」って。「名古屋着いても会社に連絡したりしないといけないかもしれないじゃないですか、だからどうぞ」って。ライブだったんですとは…い、言えなかった……言えなかったよジョバンニ…。

車掌さんにはただただ申し訳無く有り難く。何処に出したら届くかな、御礼。名前を聞いたけれど、大したこと無いと笑って、教えて貰えなかった。貰えなかったけど私、気付いていたの。切符に書いてくれた「誤乗」の文字近くに押された、印鑑。

自己嫌悪だけはするまい(精神的自慰と変わらないので)と思えど今日はそれが難しい。新幹線の中、壁を見つめ斜めになりながら茫然としていたら、車窓に何処に出しても恥ずかしい立派な馬鹿が白目剥いて放心しているのが見えた。見えたんだよカムパネルラ。嗚呼せめて名古屋で立ち食いきしめん食べたかった…。