「心に残る映画」

はてな今週のお題が心に残る映画だそうだ。連日のパンダ来日報道で、私に深く印象付けた動物園の映画を思い出したので唐突に書き出してみる。
 

 
とはいえ、引用だけで泣いてしまう。あらすじなんか書いた日には、更に泣いてしまってどうにもならないので割愛させて頂くとして、当時の思い出。
小学一年か二年生の春、渋谷の東急文化会館で観たのと思う。学校行事だったから、学年全員で行った。ただただ悲しくて、象が可哀想で、飼育員が可哀想で、泣きながら映画館を後にし、泣きながら電車に乗り、泣き止まないまま家に帰ったのだった。春の日差しが明るくて、うららかな日だった。そんな日なのに、戦争は容赦なく全てを壊していくのだと、絶望というものがこの世に存在するのだと子供心に知らされて苦しい程泣いた。
今でも引用しただけで泣くし、主題歌の最初のフレーズを思い出すだけで更に泣く。
 

 やさしい目をした 象さんの
 生まれは遠い遠い国
 お船にゆられて やってきた
 何も知らずにこの町へ

 
いやもう勘弁してくださいと言いたくなる歌詞である。愛されて、大切にされる為に遠い国から運ばれてきたのにと更に泣く。そして私は、今では空輸されるパンダを見ただけで「ジョン…トンキー…花子…」と思い出しては滂沱の涙を流し、唐突に泣き出したことで夫を驚かせる大人になった。
こういうのもトラウマと言うのかしら。幼い私に、「戦争は悲しい」という事を容赦なく刻み付けた映画として忘れる事が出来ないでいる。忘れるつもりも無いんだけど。