あれから十年も。

命日は平日なので、母の好きだった舟和の芋羊羹を持って、夫と母の墓参りに出掛けた。2001年に宇宙じゃなくあの世へ旅立ってしまった母なので、死んで丸十年が経つ事になる。生きていれば71歳、それなら少しは「ああ、少し早かったね」と言えただろうか。どのみち諦めがつかなかったかな。しつこいからな、私。
どうせ墓になんて居座っていない人だと思うので、風の向くまま、思う存分好きな所へ飛んで行っていて欲しい。死のうがあの世が無かろうが、幸せでいて欲しい。笑っていて欲しい。自分の事だけ、考えていて欲しい。
　
お墓から少し歩くとブックオフバザールがあるんだけど、初めて行ってみた。あそこパラダイスな！ 欲しかった本が次々と手に入り、しかもその上引き出物の放出品らしい食器類が安かったり無料の送迎バスがあったり、送迎バスのルート上にseria（100円ショップ）やしまむらがあってわくわくした。これなら、毎回墓参りしては地の底まで減り込まなくていい気がする。夫は夫で鉄道雑誌のバックナンバーや鉄道模型を見て、とても喜んでいたし。
それから、久しぶりに新宿の魚も日本酒も美味しい居酒屋で色々な日本酒と美味し肴を堪能して来た。何時来ても角のぴしっとした良い刺身が食べられるって、貴重だ。私や夫が日本酒をとても好きになったのは、ここの店長さんが親切に教えてくれたからに他ならない。夜は予約しないと入れなくなったし二時間制になってしまったけれど、それでもやっぱり大好きなお店だ。
今日は久しぶりなせいもあって二合も飲んだので、起きているのに二日酔いになっている。とてもいい日だった。お母さんも多分、ニヤニヤしていると思う。
　

とときち 新宿三丁目店