地震四日目。

yukami_dna2011-03-14

マリー・アントワネットと呼んでくださってもよくってよ。
明け方寝付いたと思ったら、6時に夫の会社用携帯が鳴るので目を覚ました。徒歩で出社出来るので、出社してくれと上司からの電話。もとより会社に行くつもりで準備をしていたので、何時も通り簡素な弁当を持たせて見送った。地下鉄がトンネル内で止まりませんように。
そのまま洗濯機を回し始めたのだけれど、気がついたら12時半を過ぎていて完全に出遅れた。買い物行こうと思っていたのに…。ティッシュペーパー・トレットペーパーの在庫がかなり危うい状態だったので、慌てて錦糸町まで。
歩きながら、途中のドラッグストアや小さいスーパーを見たのだけれど、オイルショックってこんな感じだったのねと思う位に紙製品が見当たらない。乾電池も見当たらなくて呆然。真っ暗な北口を見ながら西友に辿り着くも、生鮮食料品以外の棚が殆ど空っぽでまた呆然。子供連れのお母さんが6本位牛乳を抱えて目の前を横切ったのを見て、お母さんは大変だなとしみじみしたところで正気に返った。子供は何時だって、我慢しないでお腹いっぱい食べたいもんね。
買い占める人達が居れば、困る人達が出てしまう。それはとてもよく分かるし、実際私もとても困った。でも、誰も自分自身の為だけに買い占めている様には見えない。それが良くない事だと分かっていても、非難する気にはとてもなれない。綺麗過ぎる考えか。
 
ともあれ丁度目の前で届き始めた紙類を手に入れる事が出来たし、豚挽肉も手に入った。電車がまた止まる前にと、早めに夫も帰されて来た。
何せ新婚三年目、相変わらず仲良しなので大抵は一緒に風呂に入っているんである。最初の地震発生後初めて一緒に風呂に入ったところで事件は起こった。髪の毛をすすいでいたら、ひと束ごそっと毛が抜けた。髪の毛が長いし多いし、昨日は風呂に入らなかったのでとは思ったけれど、明らかに何時もと抜け方が違う。えーえーと内心動揺しながら風呂上りに餃子をたらふく食べ、夫に抱きついたところで(サーセンw)言われた「妻…すごい髪の毛減ってる」。
 
慌てて洗面所でよく見たら、額の上辺りから頭頂部にかけてと側頭部の辺りが明らかに薄い。ストレスで禿げるって知識としてはあったけど、円形脱毛症とかだと思ってた。まさかこんな風に満遍なく禿げるなんて聞いてない。聞いてないよママン!
呆然どころか頭の中が真っ白になってしまって、うっすら涙目。そこに夫が「色々気にしすぎだからだよ」とか「悪い方に考えるからだよ」とか。やめてやめてやめてやめて。心配してくれているからこそ言うんだろうけど、私そういうのもう聞きたくないんだよ。でも、黙って抱き締めて貰っていても足りない。
日本が246cmも動いちゃって、あちこちで地震が起きていて何人もの人が打ち上げられていて、火山も噴火しちゃって、ニュージーランドで亡くなった人達のその後の報道が全く無くて、TVは苦しい事しか映さない。そういう気持ちが一気に出てきて、そこで初めて、本当は一人で地震に遭遇したのがとても恐かったんだと、思った以上にダメージを受けているんだと気が付いた。鈍い。
それでついtwitterで、禿げたらどうしようって書いてしまったら、とても優しいリプライを沢山貰ってしまった。あああごめんなさいごめんなさい。でもすっごくすっごく嬉しかった! 涙が止まらなくなった。そういえば最初の地震が発生してからこっち、いっぺんも泣いてなかったなって気付いたらあの時どれだけ恐かったか思い出して夫に恐かったよって泣き付いていた。
 
共感って大事だ。ずっと泣けなかったし、自分が受けたダメージの深さに気付かなかったのに、「恐いよね」って「大丈夫だよ」ってモニタ越しに言って貰っただけで馬鹿みたいに泣いた。そして、それだけで今こんなに気持ちが楽になっている。
それから、twitterのつぶやきやRTで沢山流れてくる、笑ってしまう話の数々。チンコ型の蝋燭しかないから、呪術者みたいな被れる毛布を着てチンコ蝋燭灯して停電を乗り切ろうとしている漫画家の話とか、お腹痛くなるくらい笑わせて貰った。笑うのも大事だ。自分で書いておきながら、笑ったり泣いたりする事の大事さをこんなに強く感じるなんて思わなかった。
 
禿げは嫌なんだけど、思った以上に自分が駄目なんだっていう事を自分が自分に思い知らしめた事象だと思う。夫も「リーブ21だってあるよ」と78364な事を言ってくれた。だからショックを受けつつ、不安になりつつ、でも頭皮マッサージとかしてみたいと思う。でもやっぱり、禿げるの嫌だなあ…。がんばれ私の毛根!