甘い手紙。

アタフタと仕事に追われ残業をぶっちぎり、サーと通夜を通り過ぎた私には昨晩から大事にあたためていた手紙があって。開くことさえもったいなくて、一日。
封筒に私の名前が書かれていることが不思議でうれしくて、彼女の名前に甘さを感じて、だから慌ただしく悲しいけれど甘い気持ちも持って、一月の終わりの日を過ごせた。
 
文字では伝えられないことは多い。けれど会って話をしても伝えられないことを、掬いとって淡く象ることが出来る。花のように。姿は見えずとも、在ると知っている。私のにおい、あなたのにおい。ふとした瞬間に立ち上る。輪郭など無くても。

私に届いた手紙もまた、花のように甘くやさしいにおいに満ちていて。紙に綴られた文字を追うだけで、胸のすみずみまで潤うような手紙でした。
 
ありがとう。